パースと人体 (4)

パースと人体 (3)」の続きです。

 

空間上に配置された人物には背景と同じパースがかかります。

パースのかかった人物はときに複雑な変形をしますので、いきなり描こうとするとかなり苦戦します。そこでまず人体を覆う箱を描き、箱の中に人を入れることを考えます。

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透視図上に箱を描きました。しかし、この中に人を描いてくださいと言われれば、戸惑うでしょう。それぞれの箱に体のどの部分を入れるかは判断に悩むところです。そこで前回描いた2枚の平行投影図(側面図と正面図)の登場です。

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平行投影図にも同様の箱を描きます。箱は一辺が30cmの立方体です。座高は90cmを想定していますので、一番上の箱のてっぺんが頭頂部になります。

箱のサイズですが、大きすぎず小さすぎずが良いです。箱と体の間に隙間が出来すぎるとガイドとして機能しなくなりますので、多少体に食い込むように描いた方が良いでしょう。

さて、このガイドをつかって人物を描いてみましょう。

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まずは手堅く腕を除いた全身を描きました。膝より下は机の陰になるので、本来は描く必要がありませんが、部分的に見える踵の位置を確認するために見えない部分もあえて描いてあります。次に腕を描きます。

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これで概形が取れました。あとはこれを整形するだけです。(いやそれが大変なんですけどね)。今回はかなり急角度の俯瞰視点なので、重力方向の短縮が激しいです。そのため、如何にガイド線(箱)を引いても、かなり描きづらいと感じました。とはいえ、以前描いたものと比べると体のラインがより綺麗に取れていると思うので、やはりガイド線の効果はあったことになります。(右腕の違和感は拭えてないですが)

 

次回はパースに人体を合わせることの意味をもう少し掘り下げて説明したいと思います。(描き方よりもある意味そちらの方が大事なので)