デフォルメキャラの鉛筆陰影

鉛筆で陰影を付ける練習中です。色も塗ってみたものの、鉛筆で陰影が付いてるので塗りどころが難しく、軽くグラデーションを掛けて終わりました。

f:id:reminica:20160129043110p:plainf:id:reminica:20160129043117p:plainf:id:reminica:20160129043124p:plain

もう少し本格的に塗るとすれば、ハイライトがメインになるでしょうね。鉛筆では「明るい部分=塗らない」なので描きにくいですが、デジタルだと明るい色を塗ることができるので。

何気に難しいのはドロップシャドウです。アナログはデジタルと違って、UNDOコマンドがありません。消しゴムという労力を伴うUNDOであれば可能ですが、広範囲を描き直すのはきついので、広い落ち影を描くのはどうしても躊躇ってしまいます。腕の落ち影が描き切れていないのは、その辺が原因だったりします。まあ、腕はともかくブレザーやスカートの落ち影は立体感を出すための必須要素なので、省略できないです。

 

ここで鉛筆画のメリットについてコメントしておきたいと思います。

鉛筆という道具は基本的に線しか引けないので、陰影を付ける場合も線で表現する必要がありますが、その主たる方法としてハッチング(平行線の集まりで明暗を表現する技法)が挙げられます。上の絵も明暗はハッチングで表現されています。

線の集まりと聞くと、絵筆のように面で塗る手法と比べて格下の表現に思えるかもしれませんが、そんなことはありません。ハッチングは通常の塗りにはない大きなメリットがあります。その1つが線による曲面の表現です。

上の絵ではブレザーやスカートの曲面を表現するために、円を描くようなラインが多数描かれています。これが面の丸みを表現しているわけです。対して脚はどうでしょうか? 私の描写不足ではありますが、線の数が少ないため、丸みが表現できていません。「脚は丸い」という予備知識がなければ、平面と見間違うかもしれないほどです。

もう1つのメリットは質感の表現です。ブレザーの表面は十字を描くような縦ストロークと横ストロークの組み合わせで描いてありますが、これが表面のざらつきを少なからず表現しています。単なるグラデーションでは、ざらっとした感じは出ません。

さらに緻密さというメリットもあります。鉛筆線というのは非常に細く、その幅は100ミクロン程度しかありません。実際、紙に線を引いて定規の目盛り(1mm)と比べてもらえれば分かりますが、1mmよりはるかに細い線が引けることが確認できます。

この緻密な線の集合が、緻密な表現を可能にします。絵筆や径の大きなデジタルブラシでは到底真似できません。(絵筆やデジタルがダメという意味ではないですよ。あくまでも表現できるものの性質が違うというだけです)

 

ちなみに絵はまだ完成していません。髪も鉛筆で塗る予定です。設定上は黒髪ですが、髪の色を変えると印象が大幅に変わるので悩むところです。

鉛筆は3B,2B,B,HB,Hの5本を使いました。三菱のHi-uniです。前回まで普通のuniを使っていましたが、Hi-uniに変えてみたところ、細かい線が引きやすくなった気がします。

f:id:reminica:20160129044254p:plain

今回の絵はシンプルに1点透視図です。廊下を背景にして、あと4人描く予定です。

1点透視図で人を描くときの注意点ですが、人が座標軸に沿っている場合でも、カメラの正面に立っていない場合は、上図のような斜め顔になったりします。