パース

点光源が観測者の真後ろにあるとき

陰影の作図に関するご質問があったので、その回答です。 パースフリークスでは陰影の章で詳細を説明していますので、そちらも併せてご参照ください。点光源のページでは作図例として3つの光源A,B,Cに対する影の描き方を説明しました。しかし今回のご質問は…

球のパースについて

パースフリークスの方でいくつかご質問をいただきましたので、こちらで詳細を回答させていただきます。 Q1.球にパースはかかりますか? 透視図法では正対している平面でもない限りパースがかからないということはなく、よって球にもパースがかかります。 パ…

透視図法における直方体の見える面の数

透視図法で絵を描いておられる方であれば、経験則的に次のような性質があることを知っておられると思います。 1点透視の直方体は、1~3つの面が見える。 2点透視の直方体は、2~3つの面が見える。 3点透視の直方体は、3つの面が見える。 ※以下の説明…

透視図法の記号について

透視図法の記号(SP等)をどう表記すべきかについて、パースフリークスのメールフォームよりご意見をいただきましたので、ここで私の見解を述べたいと思います。 頂いたご意見は掻い摘むと、観測者の足元(Standing Point)と観測者の目の位置(Station Poin…

Blenderでカメラ位置合わせ(3点透視)

前回に引き続きカメラの位置合わせの説明です。今日は3点透視になります。 1.2Dイラストと3DCGの合成 昨日に引き続きパイプ椅子のシーンを使います。左が2Dのイラスト。真ん中が3DCG。そして右が両者を同じ比率でブレンドしたものです。(あくまでも同じ…

Blenderでカメラ位置合わせ(2点透視)

前回の続きです。今日は2点透視図でのカメラ位置合わせについて説明します。 1.2Dイラストと3DCGの合成 今回のサンプルは下図の2点透視図です。左がアナログ+デジタルペイントの2Dイラストで真ん中が3DCG、右が両者を50%-50%で合成したものです。(この…

Blenderでカメラ位置合わせ(1点透視)

今日から3回(ぐらい)に分けて、Blenderでのカメラ位置合わせについて記事を書きたいと思います。以前、人物のシルエットを使ってBlenderで影を描く方法を説明しましたが、カメラの位置を求めるのが意外と大変でした。 今回はカメラの位置をBlenderのUI操…

Blenderとシルエットで描く人物の影 (4)

思ったより長くなりましたが、このシリーズも今日で最終回です。はりきって行きましょう。 1.シルエットの作画 昨日撮ったCamera2のレンダリング結果を下絵にして、シルエットを描きます。このとき、元のイラストを見ながら、位置を合わせなければなりませ…

Blenderとシルエットで描く人物の影 (3)

昨日に引き続きBlenderで影を描く説明をしたいと思います。今日は以下の2つについて説明します。Blenderの操作説明が主になります。 光源の設定 光源を視点とするカメラの設定 上図はOutlinerウィンドウ(デフォルトでは画面右上)です。シーンに配置される…

Blenderとシルエットで描く人物の影 (2)

昨日の続きです。今日はカメラの合わせ込みを行います。下図をご覧ください。左は手描きで描いたイラストであり、右がBlenderでレンダリングした同じシーンです。両者の壁や立方体の位置はほぼ同じになるよう調整する必要があります。 影を落とす上で重要な…

Blenderとシルエットで描く人物の影

前々回のエントリ「透視図法による影の描き方」ではPhotoshopと影のシルエットを使って、透視図法的に正確な影を描く方法を説明しました。しかし床に落ちる影を扱わなかったため、不自然な見た目になった感が否めません。そこで今日は床と壁にまたがる影を描…

バレンタイン絵(1点透視)

バレンタインにちなんだ絵を描きました。1点透視です。 「歩く」という基本的なポーズが意外にも描きづらく、なにか足がおかしなことになってそうです。スカートも足の動きに合わせて変形するはずですが、よくわからず。 あと何気に難しいのがローファーで…

透視図法による影の描き方(デジタル)

今日は透視図法で人物の影を描く方法について説明します。 アナログでもやってやれなくはないはずですが、非常に手間がかかるので、デジタルの変形機能を利用するという前提で説明させていただきます。使用するソフトはAdobe Photoshop CS6です。(古いバー…

デフォルメキャラの鉛筆陰影

鉛筆で陰影を付ける練習中です。色も塗ってみたものの、鉛筆で陰影が付いてるので塗りどころが難しく、軽くグラデーションを掛けて終わりました。 もう少し本格的に塗るとすれば、ハイライトがメインになるでしょうね。鉛筆では「明るい部分=塗らない」なの…

メイキング:クリスマス絵(3点透視)

今日は前回アップしたクリスマス絵の(主にパース的な)解説をしたいと思います。 1.パースの解説 図法の分類的には3点透視図になりますが、VP1と視心(VC)は非常に近い位置にあり、ほぼ1点透視図と変わらない構図と言えます。3つの消失点は下図の配置で…

クリスマス絵(3点透視)

(まだ2回目ですが)毎年恒例となったクリスマス絵です。今回は3点透視にチャレンジしました。しかしよく見ると、限りなく1点透視に近かったりします。 線画は文字を除けば全てアナログ(鉛筆)です。硬さは基本的にBで、わずかに2Bも使ってます。紙の大…

2点透視から3点透視への変換

前回は2点透視において、視心(VC)を不適切な位置に配置した例を挙げました。問題を解決するには3点透視として描き直す必要があるとも述べましたが、その結果が下の絵です。 前回の絵と比較してみましょう。 (左)3点透視 (右)2点透視 余談ですが、こ…

視心(VC)の配置 (2)

昨日の続きです。 視心をどこに置くかという話題でしたが、今日は不適切な配置を例に取ります。 作例:2点透視図 この絵の主役はパイプ椅子です。人物はなんとなく描いてみただけのおまけだったりします。 パイプ椅子は簡単に見えて、意外と作画が難しい強…

視心(VC)の配置

パースフリークスで視心をどこにおけば良いかという質問を頂きまして、重要な話ではあるので、作例を交えながら説明していきたいと思います。 最初に答えを言っておきますと、視心は原則として画面の中央に配置してください。ここで画面というのは絵を描く領…

パースフリークス1周年

いつの間にか1年経ってました。 そろそろシステム的にテコ入れをしたいところですね。スライドの間に動画を挟めると表現の幅が広がるんですけどね。 ここからが本題ですが、最近メールフォーム経由でのお問い合わせが増えてきたので、コミュニケーション機…

Blenderで透視図から魚眼への変換

今日は3Dソフトを使って透視図を魚眼へ変換する方法について説明したいと思います。使うのはBlenderというフリーソフトです。バージョンは2.71を使いましたが、現在の最新版2.74でも恐らく同じ手順でいけるのではないかと思います。 以下の手順を試してみた…

天使遠近法

今日はちょっと変わり種を一つ。遠近法といえば、誰もが真っ先に思い浮かべるのは透視図法(線遠近法)だと思いますが、逆に透視図以外の遠近法を挙げてくださいというと、なかなか答えられない人も多いのではないでしょうか。それもそのはずで、世の中の遠…

イベント絵:WhiteDay(俯瞰三点透視)

あまりイベント絵っぽくなりませんでしたが、ホワイトデーにちなんだ絵を描いてみました。3点透視図です。 あまり詰めると圧迫感あるかなあと思って周囲を広くとっているんですが、ちょいと広すぎかもですね。一応学校の廊下で左側は壁と扉です。画力が付い…

基線を利用した分割法

今日新たに発見した分割法を紹介します。 変則構図の3点透視図です。立方体が描かれていますが、辺ABを2倍ないし3倍に延長することを考えます。一般的な分割法(増殖法)を使っても良いのですが、ここで紹介する方法は整数倍以外も可能な汎用的手法です。…

パースのかかった円の描き方(デジタル限定)

ようやくパースの球が攻略できました。長らくよくわかっていなかったんですが、今朝天啓が降りてきて、やっと描き方を示せる状態になりました。正面と斜めの2パターンさえ描ければ、あとはこの回転形(視心を中心に回転)しかないので、基本形はこの2つと…

教室の作画過程 (3)

教室の作画過程 (2)の続きです。 1点透視図における教室の作例です。(人を含め、まだ未完成です) 教室の最後列が見える構図となっていますが、1つ問題があることに気が付きました。これがもし人と机だけを単体で描いた絵であれば、このような描写もあり…

教室の作画過程 (2)

「構図による見え方の違い」の続きです。タイトルの(2)は前回を(1)とみなした番号です。 前回は1点透視図における教室の作図を行いましたが、作図線のみで終わってしまいましたので、今回は作画を進めました。まずは机と椅子です。とりあえず2組ほど描いて…

構図による見え方の違い

これまでパースに関する様々な記事を投稿してきましたが、中途半端な説明で終わったものが多数あります。(3点透視とか人体パースとか前景と背景の合わせとか)。そのあたりもいずれは綺麗にまとめたいと思っていますが、作画の手間が半端ないので、しばら…

俯瞰三点透視の全身絵

前回は煽りの絵を描きましたので、今回は俯瞰を描きたいと思います。(念のため書いておきますが、俯瞰(ふかん)=見下ろす、煽り(あおり)=見上げる、です) 前回は顔だけでしたが、今回は全身を描きました。計算ミスで紙の大きさが不足したので、上下が…

顔にかかるパース

これまでは人体にかかるパースの影響を見てきましたが、当然ながら人体の構成要素である顔に対してもパースはかかります。というか空間上に存在するすべてのものにパースはかかります。パースの魔の手からは誰も逃げられないのです。 最初にパースと関係のな…