広角と望遠の違い (2)

以前取り上げた「広角と望遠の違い」ですが、中途半端な説明で終わってしまったので、続きをやりたいと思います。

 

広角と望遠の描き分けは非常に難しいテーマですが、できる範囲で作画しました。

(望遠は完全に一から描き直し、広角は顔以外を全体的に修正しています)

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望遠(左)と広角(右)

前回と同じ設定ですが、一応繰り返しますと、左は被写体とカメラの距離が10mで、右が2.5mです。広角の絵を基準としたとき、望遠は距離が4倍離れていますので、大きさは約1/4になります。また奥行方向については、概ね距離の2乗に反比例しますので約1/16になります。青い線はアイレベル(150cm)です。

今回は分かりやすく箱を描いてみました。1辺が30cmの正確な立方体です。この箱に収まるように人体を描けば良いだけですが、やってみると意外と難しいです。体の横幅は30cm以上ありますので、多少はみ出します。

望遠の絵は平行投影に近く、ほとんどパースがかかりません。パースラインを見れば、どの箱もほぼ水平に近い傾きになっていることが確認できます。そして重要なのは、奥行方向が極端に短くなるということです。望遠度が高くなると、この箱はさらに薄くなって最終的にはペラペラになります。そこにどうやって人を入れるのかと思われるかもしれませんが、要は人体の厚みを完全に無視して描けば良いということです。(それが難しいんですけどね)

広角の絵は望遠の逆で、人体の厚みをしっかり表現しなければなりません。出るとこは出し、凹むところは凹ませます。パースラインを見ると、アイレベルから離れるほど、線の傾きが大きくなっていくことが確認できます。つまりパースが強調されることを意味します。また箱の上面や下面がはっきり見えるようになりますので、人体の断面は大きくなります。すなわち靴下などの丸みを帯びたものを描く場合は、より円に近い形で描きます。逆に望遠の絵であれば、直線に近くなります。

 

服を描くところまで行きたかったんですけどね。残念ながら次回に持ち越しです。

広角と望遠の違い (3)に続きます。