パースと人体 (3)

前回のエントリ「パースと人体 (2)」の続きです。

 

【前置き】

このエントリは1枚の絵にどれだけ時間をかけてもいいから、とにかく正確に描きたいという前提で進めています。画力を上げるには日々の練習が欠かせません。以降に紹介する方法は、回り道に見えるかもしれませんが、同じポーズの人物を異なる視点から描くことは、立体把握の訓練として効果の高い方法なので、是非試してみてください。

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側面図(左)と正面図(右)

いきなりパース付きの絵を描くのは大変です。よしんば描けたとしても、どこかおかしな絵になってしまうことは少なくありません。パースは難しいです。しかし難易度が高いのであれば、なんらかの手段を用いて、難度を下げることを考えましょう。

ここでは、側面図と正面図を使った方法を紹介したいと思います。念のため補足しておきますが、側面図とは空間を真横から見た図です。また正面図とは空間を真正面から見た図です。

いずれもパースがかかっていないことに注意してください。パースがかからないとは遠近感(遠くのものほど小さくなる)が付かないという意味です。たとえば、正面図の膝から下は胴体よりも前に突き出ていますが、誇張して大きく描くということはしません。これがもしパース付きであれば、膝下は相対的に大きく描く必要があります。

さて、これらの図があると何が嬉しいかというと、体の各パーツの寸法比を視覚的に知ることができます。たとえば座高が3頭身半程度であることが両図から容易に読み取れます。寸法比は分かっているようで分かっていないことが多いので、図を描くことによる視覚化は、自分の立体認識の精度を確認する意味でも重要です。

 

次回「パースと人体 (4)」ではこれらの図を使って、人体をいくつかの領域(箱)に分割し、それらをパースのかかった箱に当てはめることに挑戦したいと思います。